京都市の住所は独特であり、「通り名+上ル下ル」などで表現されることがしばしばあります。
一見さんにはとてもややこしいのですが、なぜそのような表現をするのでしょうか。
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京都市は町が碁盤の目で作られており、昔の人はその表現の方がわかりやすかったから。
京都市の通り名は縦と横それぞれに「数え唄」が存在するほど、市民にとって、通り名は非常に馴染み深いものでした。
そこで、通り名に上ル(その通りの北側)、下ル(南側)を付けて説明すると、誰でもその建物が大体どの辺にあるのか理解ができます。
「東入ル西入ル」も存在する
「上ル」、「下ル」だけでなく「東入ル」(その通りの東側)、「西入ル」(西側)も存在します。
また、二箇所の通り名(縦一箇所、横一箇所)で特定の交差点を表し、そこからどの方角なのかを表現することが一般的です。
例えば、京都市役所の住所は「京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地」です。
寺町通(てらまちどおり)と御池通り(おいけどおり)の交差点から北に行った上本能寺前町にあるということです。
京都市には住居表示がない?!
実は、京都市には住居表示(住所を分かりやすくする制度)がありません。
政令市では珍しいことで、土地の地番で住所を登録しています。
そのため、「複数の土地の地番にまたがった建物」や「同じ土地の地番に複数の建物」が存在します。
また、両側町と言って、通りを挟んだ両側が同じ町名であることが多いのです。
上ル下ルなどを用いることで、同じ町でも通りのどちら側にある建物なのかわかるんです。
「上ル下ル」を省略しても郵便物は届く?
では、郵便物を送る時、「上ル下ル」をしっかり記載し、ものすごく長い住所でなければ届かないのでしょうか。
実は、省略しても届きます。
先ほど例に挙げた京都市役所であれば「京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地」ではなく、「京都市中京区上本能寺前町488番地」でも届きます。
ただし、住居表示制度を実施していないため、同じ土地の地番に複数の建物が存在する場合、きちんと宛名を記載しないと返ってきてしまいます。
慣れれば超便利!
今でも京都市民に道を尋ねると、通り名+上ル下ルの表現で説明されることもしばしばです。
ただ、これに慣れると、タクシーで行き先を伝える時に説明しやすいですし、観光や買い物で回るルートも頭の中で作れてしまい、非常に便利です!(携帯の電池が切れて、マップを見れなくても安心ですね!笑)
京都市に何年か住んだり、よく観光に訪れると、自然と有名な通り名は覚えてしまっていると思いますし、覚えると楽しいですよ!
さいごに
京都市の住所はややこしいと思われるかもしれませんが、この独特の表現方法は先人たちの知恵なのです。
現代の人たちもまた、古き良き文化を今でも大切にしていることは、京都の魅力の一つと言えそうです。
それではっ!
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