家やお店など建築物を建てる際に守らなければならない「建築基準法」。
建築物に対して定められているけれど、そもそも建築物ってどんなものなのか?(令和3年5月16日時点)
建築物とは
結論
建築物とは
「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。」(建築基準法第二条第一項第一号)
だそうです。
って言われても、よくわからないので、簡単に説明します!
簡単に解説
屋根+柱or壁=建築物
基本的に屋根があり、柱or壁があればそれは全て建築物です!
割とありとあらゆるものが建築物になり得てしまいます。
さらに、その建築物と同じ敷地内にある門や塀(家をイメージすると分かりやすい)なども建築物となります。
門や塀だけが建っている場合(あんまりないかも?)は建築物ではないんですね〜。よく見かけるのは駐車場の塀とかです。
例外
ただし、例外はあります。ほとんどの法律について言えるのですが、例外は付きものです(笑
- 土地に定着していないもの
- 鉄道関係のもの(一部)
- 建築物ではないと解釈され取り扱っているもの など
これらは建築物ではありません。
「土地に定着」を簡単に言うと、「すぐ動かせるかどうか」です。
基礎があったり重すぎるものは、すぐには動かせないので土地に定着していると言えます。
「鉄道関係」は、別の法律(鉄道事業法など)で定められているケースもあります。
「建築物ではないと解釈され取り扱っているもの」は、例えば屋根や壁はあるけれど、高さや奥行き等が非常に小さなものなどです。
具体的には、各都道府県や市町村のHPに記載されていることが多いので、確認してみてください。
これって建築物?
さて、これまで建築物の定義についてお話してきましたが、身近なものを例にいくつか見てみましょう。
物置は建築物?
家などでよく見かける物置です。
物置は・・・建築物です。意外ですよね。
地域によっては、床面積(どのくらいの広さか)が小さいものは建築確認申請(手続きのみ)が不要なケースもありますが、基本的には手続きをし、基準に合わせなければいけません。
もちろん例外もあり、物置の高さや奥行きが非常に小さなものは建築物にはなりません。
犬小屋は建築物?
犬小屋は・・・建築物ではありません。
大抵の犬小屋は動かそうと思えば、簡単に持ち運べます。
要するに土地に定着していないと言えるからです。
ただし、お金持ちの人が作るような、めちゃめちゃでかい犬小屋なんかは建築物になります。
セカンドハウスをペットのために建てた!なんて羨ましい話もたまに耳にします(笑
キャンピングカーは建築物?
キャンピングカーは・・・建築物ではありません。
これも犬小屋と同様にすぐ動かせるため、土地に定着していないと言えるからです。
訪れる先々で手続きが必要だと、不便ですよね・・・。
ただし、意図的やエンジンを積んでいないなどで、ずっと動かさない(土地に定着している)ものは建築物になり得ます。
DIYした場合は?
DIYで造った場合・・・造ったものによります。
最近流行りのDIY。もし自分で小屋を建てた場合は・・・基本的には建築物になります。
屋根+柱or壁があるものを自ら造る場合は、事前に建築物に当たるのか下調べをしましょう。
建築基準法が存在する理由
なぜ建築基準法が存在するのかは、建築基準法の第一条に記載されています。
「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」(建築基準法第一条)
私たちの生命(倒壊しないなど)、健康(吹付けアスベストを使わないなど)、財産(建築物は財産と考えている)を守ることが目的で建築基準法が存在しています。
さらに、ポイントとして、実はこの法律「最低の基準」なんです。
つまり、少なくともこの基準は最低限守ってね!ということなんです。
建築基準法を守らなければどうなるの?
役所などの人に注意されたり、是正命令を出されたりしますが、最悪の場合は罰せられます。
建築基準法は「最低の基準」(少なくともここまでは守ってね!ということ)です。
それすら守っていないとなると、火災が起きて被害が広がったり、地震で倒壊したり、健康被害が出たりと罰せられる以上に想定外の出来事が起きても不思議ではありません。
さいごに
建築基準法ってめちゃめちゃわかりづらく、むずかしい法律だと思います。
ほとんどの人は、一朝一夕で理解できるものではないでしょう。
建築物を建てる時は、建築確認申請の手続きや基準を合わせるなど様々なことをしなければなりません。
建築士などのプロに任せる、専門家の相談窓口に問い合わせる、本屋で並んでいる解釈本を読むなどの方法を行うと良いでしょう。
それではっ!
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