物件や土地を探していると、目にすることもある「再建築不可」という言葉。
価格が安くてお得かと思いきや、安易に買ってはいけないとの噂も。
どう言った理由で、安易に買ってはいけないのでしょうか。(令和3年7月24日時点)
結論:安易に買ってはいけない理由
その土地(敷地)が道路と接していないので、建築物(家など)が建てられないから。
もう少し詳しく言うと、道路に2m以上接していないので、新たに建築物が建てられない(建築できない)から、安易に買ってはいけないということです。
簡単に解説
なぜ道路に接する必要があるの?
建築基準法には以下のような条文があります。
「建築物の敷地は、道路(中略)に二メートル以上接しなければならない。」(建築基準法第四十三条第一項)
例えば、自分の土地の周りに道路がなく、4方向全てが人の家の土地だったとします。
すると、自分の土地に入るには、誰かの土地を通らせてもらわなければなりません。
ある日突然、通らせてもらっていた土地の所有者が、「今後通らないでくれ」と言ってきたら、どうでしょう?
勝手に通ったら、侵入罪になる可能性もありますよね。
他の土地に通らせてもらえるようにお願いしますか?
それもダメになったらどうしますか?
つまり、「道路から直接自分の土地(敷地)に入れる」ことが大事なのです。
それだけではありません。
もし、自分の家が燃えた場合、道路に接していないと消防車が入ってこれません。
火災が広がってしまいます。
これらの理由などから、道路に接しなければならないのです。
「道路」ってどんな道でもいいの?
ところで、「道路」ってどんな道でもいいのでしょうか。
実は、「道路」とはどのようなものか決められています。
条文は以下のとおりです。
「(前略)「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(中略)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。」(建築基準法第四十二条第一項)
つまり、基本的に幅が4m以上のものが「道路」になります。
もちろん、例外はあります。
幅が4m未満でも国や市など(特定行政庁)が指定した場合なども、「道路」になります。
あまりにも幅が狭いものは、「道路に接する理由」を満たせないということですね。
もう少し深掘り
「再建築不可の土地に建っている物件」があるのはなぜ?
「再建築不可」と書かれた物件には、すでに建築物が建っているものもあります。
これには、いくつか理由が考えられます。
- 建築当時は、道路に接道できていた。
- 接道する条文が制定される以前に建てられた。
- 文化財保護法や建築審査会などで指定されている。
これらが全てではありませんが、接道が不要なパターンも存在するのです。
例えば「京町家」が典型的な例ですね。
建築基準法が作られるより前から建っている家が多いためです。
「じゃあ「京町家」なら好きに建ててもいいの?!」と思うかもしれませんが、
そういうわけにはいきません笑
すでに建っている家を解体して、新しく建築物を建てるためには、もちろん道路に接道しなければなりません。
増築も同じです。
さらに、リフォームをする場合も、「大規模な修繕」、「大規模な模様替」に当たる場合は接道の必要があります。
例えば、階段を作り変える場合でも、「大規模な修繕」になることが多いので、プロに十分相談するのが良いでしょう。
建築物が建てられない別の理由
その他にも、市街化調整区域と呼ばれる地域や、都市計画法などで建築できない場合もあります。
建築基準法以外のところにおいても、確認を忘れないようにしましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
買ってから初めて、「家が建てられない!」と気づくことになっては大変です。
「再建築不可」の物件や土地を購入する際は、これらの内容を十分に理解した上で、買うようにしてください!
それではっ!
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