今ある家やお店に大きな増築をする時は、建築確認申請が必要だと思うけれど、小さな増築であれば不要なのでしょうか。
時々、床面積10㎡以下であれば要らないとも耳にします。(令和3年6月19日時点)
結論
基本的に全ての増築は建築確認申請が必要です!
ただし、防火地域及び準防火地域外では、増築する床面積の合計が10㎡以下の場合、不要です。
簡単に解説
床面積が10㎡以下の増築について、建築基準法ではこのように書かれています。
「前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。」(建築基準法第六条第二項)
「前項の規定」とは建築確認申請が必要なものが定められており、ほとんどの建築物の増築行為は「必要なもの」に含まれます。
例外はあまり考えなくて良いでしょう。
そもそも「建築物」って具体的にどんなもの?と疑問を持たれた方は、以下の過去の記事を参考にしてください。
ほとんどの建築物の増築行為は申請しないといけません。
しかし、以下の2つ共に該当する場合、増築時に申請する必要がありません。
- 「防火地域」又は「準防火地域」に入っていない
- 増築する床面積(増築する部分の広さや大きさ)が10㎡以下
防火地域や準防火地域は、地域ごとに決まっています。
その土地(増築したい家やお店が建っている土地)がこれらの地域に入っていない場合、増築する床面積(増築する部分の広さや大きさ)が10㎡以下であれば、申請が不要です。
各都道府県や市町村のHPなどで地域に指定されているか確認できます。
防火地域や準防火地域は、火災が広がりやすい場所や未然防止を優先的にすべき場所に多いです。
これらの地域の建築物は火に強い構造のものにする必要があるなど、人の命を守るために指定されています。
増築したい建築物の土地が、一部でも防火地域や準防火地域に入っていれば、申請が必要です。
【注意!】建築確認申請が不要でも、他の基準は守る必要あり
これまで、増築について建築確認申請が不要なケースを説明しましたが、重要な注意点があります。
それは、建築確認申請が不要な場合でも、そのほかの基準は守らなければならない!ことです。
要するに、申請が要らない、検査がないからといって、そのほかの基準も無視して良いわけではないということです。
増築する箇所の構造や設備、建ぺい率や容積率(その土地の基準に合った建築物全体の広さや大きさのこと)など、さまざまな基準には適合させなければなりません。
さいごに
建築確認申請が不要な理由の一つは、手続きの簡素化です。
あまりにも小さな増築はわざわざ申請しなくてもいいと判断されているわけですね。
でも、そのほかの基準には合わせてね!
というところが、良くも悪くも自己責任・・・
間違った情報に惑わされずに、判断していくことが大切ですねっ!
それではっ!
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